「ネットワークエンジニアは、どんなことやってるの?」
昨今、IT技術者が不足するといわれている一方で、ひと昔まえに比べ、エンジニアと付く求人は数多くあります。
例えば、AIエンジニアとか、クラウドエンジニアとか
そのため、IT技術職に挑戦したい気持ちとは裏腹に、情報が多すぎて疲れていませんか?
そこで本記事では、ネットワークエンジニアとして20年近く働いている私が、ネットワークエンジニアの仕事内容を少し掘り下げて解説します。
最近ではクラウドサービスを導入している企業も増えていますが、その根幹にはネットワーク技術の基礎が詰まっています。
ネットワークエンジニアとして働くことは、その根幹を支える役割を担い、さらに新しい技術にも触れることができますよ。
言い換えると、ネットワークエンジニアは縁の下の力持ちとして、多くのサービスを支えています。
ですので、ネットワークエンジニアとしての知識を深め、経験を積んでいければ、企業はあなたを離さないでしょう。
ぜひ最後までご覧ください。
ネットワークエンジニアは縁の下の力持ちとして働く3つの特徴
ここでは、ネットワークエンジニアが縁の下の力持ちとして社会貢献する特徴を3つ解説します。
これこそ、ネットワークエンジニアの仕事冥利に尽きるってことに絞って紹介します。
- 表舞台に立たない裏方
- 通信をコントロールする
- 当たり前じゃないけど当たり前にする
普段はあまり注目されにくいネットワークエンジニアの仕事っぷりがわかる内容になっています。
読み終える頃には、ネットワークエンジニアに魅力を感じているでしょう。
表舞台に立たない裏方
ネットワークエンジニアは、決して表に立つことはありません。
表舞台に立つのはアプリを使ったサービスで、そのサービスを支えるのがネットワークです。
サービス利用者の目の前にあるのはアプリで、そのアプリを使ってサービスの恩恵を受けます。
利用者はネットワークのことを意識せずにサービスを受けられるわけなんです。
つまり、サービスが24時間365日使い続けられる裏には、ネットワークエンジニアの存在があると言っても過言ではありません。
そして、そのネットワークを設計・運用・監視するのがネットワークエンジニアの役目でもあります。
このように、ネットワークエンジニアは裏方に徹する必要があります。
通信をコントロールする
ネットワークエンジニアは、通信をコントロールする術を知っています。
なぜなら、見えない敵と戦うことがあるからです。
インターネット上には、昼夜問わずシステムへの侵入を試み、悪事を働こうとする犯罪者がいます。
不正アクセス禁止法に引っかかります!
そのような犯罪者を突き止めることは難しくとも、通信をブロックしたり、通信元を解析したりすることで被害の拡大を防いでいます。
このように、ネットワークエンジニアは通信をコントロールする術を知っています。
当たり前じゃないけど当たり前にする
ネットワークエンジニアは24時間365日動き続けるネットワークシステムを支えています。
今やインターネットは、私たちの身の回りになくては困る存在になっています。
ネットショッピングはいつでも・どこでも利用できますよね。
いつでも・どこでもって、まるで空気のような存在!
インターネット環境に接続できていれば、Webサービスを活用できるようになっています。
インターネットで障害が起きても、サービス利用者への影響を抑えるべく、迂回経路へ切り替わるように設計しています。
ネットワークエンジニアは、ネットワークシステムをなるべく止めない運用で、今日もインフラ基盤を支えています。
ネットワークエンジニアの仕事内容を7つ紹介します
ここでは、私自身がこれまで経験してきた(または経験中の)仕事内容を7つ解説します。
ここで紹介する仕事内容を把握しておくことで、ネットワークエンジニアとしてどんな仕事内容をこなしていきたいか、将来の目標も立てやすくなるでしょう。
- 要件定義
- 設計
- 検証
- 構築
- 運用・保守
- 見積作成
- ベンダーコントロール
会社によっては、表現や内容が変わる仕事内容もあると思いますが、ぜひ参考にしてみてくださいね。
要件定義
顧客がネットワークに求めることを定義し、文書化します。
プロジェクトには予算や時間に制約があります。
プロジェクトの目的、スケジュール管理や体制、実現させる方法などをあらかじめ整理しておきます。
そうすることで、次の設計フェーズに落とし込むことができたり、水掛け論になるのを未然に防ぐ効果を期待できます。
いった・いわないを延々と続けるって疲れる。。。
要件定義は、プロジェクトを左右する重要なフェーズです。
設計
設計は、ネットワークエンジニアとしての考えを文書化します。
顧客の要求を満たす機能を選定する上で、一方向ではなく多角的に考える必要があります。
例えば、最新機能を使いたいけど、運用時の体制を考慮すると選定できないなど、運用フェーズを見据えた設計をしたりします。
頭で描いた想いや考えを、文書化するって意外と面倒って人多いよ
だからこそ、日頃からメモする習慣を身につけておくと、いざ文書化するときも困らないでしょう。
このように、設計では、ネットワークエンジニアとしての考え方を整理・文書化します。
検証
要件を満たすであろう機能を検証、テストします。
想定通りに動作するかをチェックできる貴重なフェーズです。
機能が正常に動作するなら何も問題はありません。
しかし、想定した通り動作しない場合には、製造メーカーなどへ問い合わせる必要があります。
意外とあります!
問い合わせても解決できない場合は、要求をクリアできる別の方法を探し、検証、テストをしなければいけません。
また、導入後の障害を想定した復旧方法なども、このフェーズで検証します。
検証は、本番構築前の貴重なフェーズです。
構築
顧客の環境にネットワークシステムを導入します。
併せて、現在稼働中のシステムに対する影響を考慮する必要があるフェーズです。
顧客環境には、多くのシステムが稼働中であることを忘れてはいけません。
ネットワークの停止時間は、顧客の売り上げに影響することもある
そのため、導入日程が、夜間帯や土日の作業になったりする場合があります。
また、顧客環境での構築を円滑に行うため、あらかじめ構築手順書を作成しておくことで、当日やることを整理できますよ。
構築当日のスケジュールを円滑に進めるためにも、当日実施することを前もって文書化しておきましょう。
構築は、顧客の売り上げに直結することを念頭に置き、影響を最小限に抑える必要があるフェーズです。
運用・保守
日々のメンテナンス、設定を変更するフェーズです。
顧客は、導入より運用を重要視します。
なぜなら、導入までの期間に比べて、運用期間の方が長いからです。
ただし、システムエンジニアさんは例外かもです。(準備に、人も時間をかけるプロジェクトあり)
多くの会社は、5年間を1サイクルとして運用しているかもね
運用期間中の日々のトラブル対応、機器故障対応、設定変更対応など、多岐にわたり備えておかなければいけません。
そのため、この運用・保守フェーズでは、運用負荷を減らすためにマニュアルを作成して、チームで共有することが多いです。
要件定義や設計の段階から、運用・保守フェーズを意識しておけるネットワークエンジニアは顧客に喜ばれます。
見積作成
わかりやすく言うと、利益を算出するフェーズです。
利益が全然ないと赤字ですし、利益を載せすぎるといわゆるぼったくりと言われかねませんので、注意して計算する必要があります。
機器費、人件費、諸経費などを勘定して、利益をいくら残す必要があるかを計算します。
会社の考え方に左右されるけど、知っておくとビジネスマンって言える
一見すると、ネットワークエンジニアの仕事内容じゃないと感じる人もいると思いますが、決してそんなことはありませんよ。
ネットワークシステムの機器構成に照らし合わせて必要なスペックや部材を確認できますし、顧客の要件を見落とさないためにも大切なフェーズです。
ベンダーコントロール
顧客へ納期通りに届けるために、外注先と調整する仕事です。
導入する機器や場所、または納期によっては、外注したほうがいい場合があります。
例えば、新しい機器を導入することは決まったけど、社内に詳しいネットワークエンジニアがいない場合。
イチから勉強するよりも、専門家がいる会社へ外注した方が早いですし、費用も抑えることができますよね。
ITの講習費ってかなり高額です。
また、海外の拠点へ日本から行くよりも、現地の会社へ外注して対応を依頼することもあります。
ただし、依頼するだけではなく、きちんとスケジュールを管理する必要があります。
ベンダーコントロールは、スケジュールを管理し、予定通り顧客へ納品するためにも必要なフェーズです。
ネットワークエンジニアになるために必要なこと3つとは?
ここでは、ネットワークエンジニアになるために必要なことを3つ解説します。
ネットワークエンジニアとしてこの世界に入った時、私は1つも持ち合わせていませんでした。
お恥ずかしい限りです。。。
- 図を描く
- 考えを持つ
- 落とし所を見出す
ネットワークエンジニアの私がここで紹介することは、騙されたと思って普段から意識してやってみてくださいね。
ぜひ、最後までお読みください。
図を描く
相手を思いやるなら、鉛筆と消しゴムを用意して図を描きましょう。
頭の中で描くだけでは不十分だからです。
上司や同僚と会話するとき、頭の中にあるイメージを共有する必要があります。
相手は、その図を見て答えてくれます。
つまり、相手に答えやすい環境を作るわけです
また、図を描くと、見落としを防いでくれますよ。
3つの中で、いますぐできることですので実践してみてくださいね。
考えを持つ
ネットワークエンジニアは、自身の考え、意見を持ちましょう。
考えを持たないと、設計書を作れないからです。
設計書は、機能選定などの考えや理由が詰まっていて、設計者の想いを知る上でも重要な資料です。
また、周りに相談するときも、自身の考えを持っておくと議論が深まります。
めちゃくちゃ大事。相手が上司とか関係ありません!
ですので、ネットワークエンジニアは、普段から自分の考えを持つ練習をしましょう。
落とし所を見出す
ネットワークシステムは、必ずしも想定通りに動作してくれない時があります。
メーカーでも気づけないバグがあったりする場合も。。。
たとえ、検証でうまくいっても、顧客環境ではうまく動作しない場合もありますよ。
例えば、思い通りに動作せず、時間だけが過ぎてしまい、納品できない状態だとします。
そんなとき、顧客との間で妥協点を見つける、つまり落とし所を見出して提案する必要があります。
暫定的に設定を変えるとか、代替品で回避するとか、ワークアラウンドともいわれていますね。
一時的とはいえ苦しい状況から抜け出せることは、顧客にとっても悪い話ではないでしょう。
そのあとの顧客とのやりとりも大切ですので、忘れないでくださいね。
このように、ネットワークエンジニアとして落とし所を見出すことは重要です。
この記事のまとめ
この記事では、ネットワークエンジニアとしての私の経験談をベースに、大きつ3つお伝えしました。
まず、ネットワークエンジニアは縁の下の力持ちとして働く3つの特徴は、次の通り紹介しました。
- 表舞台に立たない裏方
- 通信をコントロールする
- 当たり前じゃないけど当たり前にする
それから2つ目。
私がネットワークエンジニアとして経験した7つの仕事内容については、次の通り紹介しましたね。
- 要件定義
- 設計
- 検証
- 構築
- 運用・保守
- 見積作成
- ベンダーコントロール
そして3つ目。
ネットワークエンジニアとして必要な3点とは?と聞かれたら、この記事では次の3点を挙げました。
- 図を描く
- 考えを持つ
- 落とし所を見出す
ネットワークエンジニアとして、今でも苦手意識がある仕事内容は、正直あります。
ただ、振り返ってみると、たくさんのスキル・知見・経験を得られていると実感しています。
ネットワーク基礎、認証、セキュリティなど、気づければ多くの知識・経験が身についています。
ネットワークシステムの根幹を支える縁の下の力持ちであるネットワークエンジニアに、少しでも興味も持ってくれたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。